妙蓮寺Y邸 マンション改装工事
物件の購入を控えて既存内部の改装を考えていた施主は30代半ばのデザイナー。
いくつかの候補物件を乗り越えて、選定エリアで希望の条件内で辿り着いたものは比較的新しい。とは言え、やはりそのまま住める訳ではない。改装自体はお風呂のお湯を取り換えるように最早当たりだと思っている。どのように変えるのか。そこが問題なのだ。
ぼくらにご連絡頂いたのは桜の蕾が膨らむ頃でして、ある程度大胆に改装したいとの思いを叶えてくれるところをお探しのご様子でした。よく利用していた店舗の作り手がぼくらだったことがご一報頂いた理由の一つ。
さて、既に幾つか見積もり資料も揃えてみて感じるのは、金額よりもまず改装の内容や大胆さ、より慎重さを持って推敲してほしい箇所のことなど、どうも痒い処に手が届かないな、ということ。
時期が時期だけに、年度末はどこも繁忙期の只中。直ちに動けるところは行き届かない連中、とは言い切れないけどもな、しかし連絡したレアジェムさんは最初に打ち合わせしてから1ヶ月程経つけどその後何もしてこないじゃないか。やる気ないのかな。
という瞬間のサナカに謹んでご連絡させて頂きました。
既に後塵を拝しているだろうとは想像に難くないので、単刀直入にプランの説明をご覧頂きたいとお伝えしたところOKの御返事。
しかしながら他社との契約の話を進めている段階、とのことでした。
クレイジーな話でしょうがまずはご高覧くださいませ、とプランを見るなり、もう少し煮詰めてみたいと同時にこういう要望は叶えてもらえるのかとのお返事。
人間何がどうなるかわからないものですが、何でしょうか、「いかにぼくらは素晴らしいか」では決してないのですが、考える姿勢や視点、進める態度、そういったことに、作り手同士として何かを感じてくださったのではないかと思います。
撤去すべき既存フロア、新しく作る下地の防音性能について。仕上がるフロアの材質。
全ての構造からデザイン・製作するキッチンの使い勝手。掃除の仕方のこと。
レンジフードは10年間掃除のいらない機種、普段目に留める事もない洗濯パンに、いかに段差が少なく掃除しやすいモノであるべきかと新たな視点の探索…。
似たようなことはいくつも経験していますが、一つとして同じであることはない、これら全ては初めての組み合わせで、今回が全く初めての試みであることも多く含まれています。
それは冒険とも言い換えられるような作業である、と感じます。
続く写真はその軌跡の一部なのです。
所在地 | 横浜市神奈川区 |
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工事種別 | 設計、解体工事、建具工事、キッチン工事、給排水衛生設備工事、床工事、金物工事、タイル工事、塗装工事、クロス工事、左官工事、空調設備工事、電気工事、防災設備工事、ユニットバス工事、ガス工事 |
床面積 | 73.8㎡ |
主要仕上材 |
壁1:PB or 躯体+塗装 壁2:PB or 躯体+クロス 天井:PB+クロス 床1:置き床+ラーチ合板+オーク複合フローリング 床2:根太組+耐水合板×2+タイル キッチン:SUS(ステンレス) |