研究するつもりでふと覗き込むと計り知れないほど奥の深いアイテムだった。
誰もが持っていて、みんなそれぞれ違うものを携帯している。なにげなく哲学を持ち、使い方、持ち方、大きさ、形状、色、材質、手触り…口にはしなくても事細かに考えて使いながらも、その割にあっさり、違うものに替えてしまうことがある。じつに群雄割拠、それゆえの下克上。血で血を洗う洗浄だ（終わりのみえない上書きの繰り返し）。

ジップであける極単純なタイプ。男の持つサイフの格納箇所はシリポケ。アタマの固くなった昭和世代が思いつきそうな２つぐらいのテーマに 着想を得た途端に矢継ぎ早に出てくるアイディアの数々。まあ最初だし、これくらいでいっか、フィールグッド。

さて、まじめに設計者の解説を。
Ｌ字型のジップ。目にする機会の多いタイプのウォレットだと思う。ごくシンプルなものが欲しい人はこのタイプを買う。ぼくもそう、大きいものは好まない。尻ポケットに入る理想的なサイズ。最初はそれで良かった。ところがシンプル構造ゆえにいろいろ悩みもでてくる、というより使いにくい場面がでてくるんだ。そこを一挙に解決しようというワガママソリューション。機能を織り込んでいったら構造がすこし複雑さを増したけど、さがしてるカードとかコインはすぐに見つかるよ。開発中に感じたことだけど、コインをどこかのポケットに入れっぱなしにするクセがなくなって、ふいに見つけて嬉しくなることも無いのかと、寂しい気がしたくらい。
ホームグロウンのステアにオイルとロウをギッチリと入れてある。張りとコシが強く、頑丈で滑らか。白く見えるロウはいずれ消えて、黒々とした輝きに代わる。

Leather Wallet “Brilleaux”
price：¥16,200 (tax included)
color：Black
dimension：H95mm W125mm D20mm
material：Cow Leather (Vegetable Tanning), TALON Brass Zip